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oraoratinposouja.hatenablog.com
当ブログ本来の趣旨である廃墟凸。記念すべき最初の場所が愛宕山山頂付近にある「愛宕山ケーブル廃線跡」である。前回の記事は元々取材目的で凸してなかった為、写真も少なく稚拙なものになってしまったので計画を整え再調査へ。ここ清滝へは阪急嵐山駅からバスで20分ほどで着く。
橋からは紅葉が見える。さすがにこの辺りまで来ると川の水は澄んでいてとても綺麗だった。
この奥からが愛宕山への入り口になる。一礼し無事に今回のクエストを達成できることを祈りつつ山登り開始。愛宕山は序盤からいきなり急こう配になっており、登山者を洗礼するかの如く体力と精神を奪いに来る。
しばらく進むと針金で封鎖された場所が。これが愛宕山ケーブル跡の入り口である。無論、ここを登って行けば最短で廃駅舎に着くことができる。しかし、我々一行はストレートに登山道を登ることに。
愛宕登山道を登るクライマーにとってお世話になるのがこの看板である。山頂まで約40枚近くあるが、数字が書いてあるおかげでこいつもなかなかに精神を奪ってくる。
登山道の急こう配の一例。これ以上のものがこの先も待ち受けている。
看板20個めあたりで傾斜は一旦落ち着いてくる。辛いことを超えた分見える景色も違ってくる。
そんな中道中ですごいものを発見。
台風か何かの影響でご神木が根こそぎ折れていた。
クレーンを山上に持ってこれない為そのまま放置しているのだろうか。自然の脅威を目の当たりにすると恐ろしいの一言に尽きる。
さて、駅舎跡へ行くための目印となるのが「水尾の別れ」の看板がある3つめの休憩所である。その付近に駅舎へ行く道があるのだが、それはぜひ自分の目で探してほしい。そしてこの廃墟の残骸がヒントである。
先ほどの残骸を道なりにまっすぐ進むといよいよ駅舎へたどり着く。やはりなかなか知られてないせいか誰も来なかった。紅葉を独占できる場所は京都でもここだけであろう。
ひとことに廃墟で終わらすにはもったいないぐらいの絶妙な廃れ具合である。蔦や窓枠の外れ具合が退廃美を一層強調させている。
中に入ると、解放された窓枠からほどよく日光が差し込み、ノスタルジックな雰囲気に魅了されてしまう。廃墟のイメージにありがちな「怖い」「暗い」等のネガティブな感情はここでは一切湧き上がってこない。
奥の階段から二階へ。頭上からコンクリートが溶け出しているのがやや気になるが2017年11月現在でも綺麗に現存しているといえる。まだ歩いていて不安を感じることはない。
前述のように飛び出した窓枠が退廃美を醸している。また、当時の賑わっていた時代を想像することができ、より一層哀愁を引き立てる。
二階のはしごから屋上へ上がることができる。こうした気配りの良さが隠れ家的廃墟と呼べるところの一つである。また、はしごは想像以上に頑丈で折れそうな不安は感じない。
屋上からは京都府を一望できる。現存していれば今でも十分に栄えると思う。
間からうっすら見えるのがケーブル跡。今度はここを下っていく。
はしごを降りて地下へ。地上より多少暗いものの光が入っており明るい。年代を感じる昔のファンタや黄桜のゴミが捨ててあった。
裏側からのカット。中央の傾いた壁が良い味を出している。
あとはひたすらケーブル跡を下っていく。ひたすらこのような景色が続く。なお、地面は苔がびっしり蔓延っており普通の靴だと滑りやすく足に余計な力が働くため体力を奪われるので相応の装備で行くことをおススメする(経験談)
このケーブルは結構な高低があり、恐怖を感じる。この点からも滑りやすい靴はやめたほうがいい。下手したら即死。
奥に見えるのが第一トンネル。滑りやすいので注意。
第一トンネルを超えてしばらく進むと第二トンネルへ。ここは進めないようなので左の脇道から迂回する。途中倒木が行く手を阻むなどさながら「インディー・ジョーンズ」の気分だった。
脇道を進むと二つ目の休憩所に出れる。ここまで来ればあとは道なりに降りていけばいい。
雰囲気…★★★★★(退廃美は満点)
穴場度…★★★★☆(極たまに人に出会う)
心霊度…★☆☆☆☆(トンネルはやや恐怖)
危険度…★★★★☆(ケーブル下りは要注意)
アクセス…★☆☆☆☆(山上は行くのに辛い)
C.カスデヤンス